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良い日、ころころ

良い日には旅立たずに転がっています

welcome to ようこそ 旅立とう

ここはジャパリパークではないし、僕はサーバルキャットのサーバルではない。かばんでもない。きょうは帽子も被っていないし、ポケットにお財布を入れて、晴れた日に電車に乗っている。でも実はリュックは背負っている。混んでいる電車ではリュックは前で持つのがマナーだけど、今はそこまでは混んでいない。バスに乗らなくとも目的地に着けそうなことはスマホが教えてくれる。定期券の範囲内の乗り換え駅についたので、この筆先は一度止まる。

 

これより定期券の範囲外へと出る。8分後にまた乗り換え。この春からまた大学院に通うことになったので、とりあえず僕はまた学割で定期券を買えるようになった。きょうは学割定期の範囲内で乗り換えて、学割定期の範囲外へ向かう。休日のちょっとした冒険というほどのものでもないお出かけです。冒頭でジャパリパークの名前を出したのは昨日の夜にミュージックステーションけものフレンズというアニメの主題歌が歌われるということでミュージックステーションとか普段見ないし別に絶対見届けたいというほどの情熱もなかったのだけどちょうど教えてもらってせっかくだったので、見た。サーバルちゃんたちの歌はあんまり上手じゃなかったような気もしたけどそれでも歌を聴いていたらアニメのけものフレンズが面白かったなあということを染み染み思い出した。ミュージックステーションの説明だと、けものフレンズの内容はかばんちゃんが旅する成長物語みたいな感じだった。間違っていない。でもそれだけというのでもない、というか、けものフレンズの特有の面白さの抜け落ちた内容説明であるような気もした。でもけものフレンズってどう面白いのかよくわからない。何が面白かったんだろうなあ。乗り換え。

 

もうすぐ目的地に辿り着いてしまうのだけど、サーバルちゃんとかばんちゃんの旅の目的地ってどこだったんだろう。最初は図書館で、その次は港で、その次は別の島? 図書館では料理をするのです。なんで。われわれは賢いので。いろいろ、ぜんぜん、わっかんねえよ、っていう会話が続くのだけど、ボケ倒す感じのリズムは楽しい。僕は激しい漫才的な笑いを見ていると時々ツッコミ役の勢いある言葉に怯んでしまったりすることがあるので、ツッコミ不在で、自分が勝手に頭のなかで好きなタイミングで好きな程度でツッコミができるのは気が楽なのかもしれない。でもフレンズたちがボケる(?)たびに、視聴者として必ずしもツッコミいれてるわけではなく、ボケの川に流されてそのまま帰ってこれなくなるというか、思えば遠くへ来たものだ、とか、ひとしきりツッコミそびれて流された先の小島から自分の遍歴を振り返ってみるのを楽しむこともある。こういう営みは、意志の力は弱いのかもしれないけど自分では思いもつかないような場所に辿り着くというロマンチズム的なるものがある。これぞ旅情? でも普通、旅をする上では綿密に予定を立てなければいけない。じゃないと電車にもバスにも飛行機にも乗れない。目的地の最寄駅に到着。

 

スリランカ紅茶のお店でお昼を食べようと思う。ひとりで。ここに来るまでに一度、書店に引っかかる。読みきれないほどの本を買うのはお金がもったいなくていけないですね。でも本屋に来ると、買おうと思っていなかった本に手が伸びるのがおもしろい。料理が出てきた。

 

料理を食べ終わった。紅茶が付いている。紅茶のお店だからそりゃそうなのだけど。きょうは暖かい日だけど温かい紅茶がおいしい。暖かいなかで温まる。スコーンとかも注文したい。ランチ後に注文できるんだろうか。紅茶を一口。おいしい。紅茶というとイギリスで、イギリスはインドのほうを支配したりしたので、インドでは紅茶が、えーっとでも、イギリスが紅茶なのはインドを支配したからなのかもしれず、因果関係、たまごにわとり、もうすぐイースター、わからないのです。ともあれ紅茶の葉も大海を渡って世界中を行き交っていたしいまもそうしているんですよね。僕より世界を見ている葉っぱ。でももう死んでしまっているのかも。イギリスで大航海、というイメージがいま強くなるのは、このあいだ上野の大英博物館展に行ったからで、大英博物館展によると、ダーウィンは30代前半くらいで自然にある未知のものを探しに世界一周の大冒険に出たみたいだ。それでカメとか見つけたりとか、進化論を思いついたりとか。ダーウィンの隣には、冒険とかに出ないまま、勉強をして進化論みたいなのを思いついた人のことも書いてあった。でも名前を忘れてしまった。ごめんなさいイギリスの偉人。どちらにせよ、机の上でも船の上でも同じことを思いつくというのは不思議だ。小説や文章は、机の上でも書くことがあるし、いまみたいに電車に乗りながら、紅茶を飲みながら書くこともある、あ、紅茶を飲んでいるときも、「机の上でやっている」に含まれるのかもしれない。つまりダーウィンは海の上をまだ見ぬものを求めて旅をして、机の上でその成果をまとめた。ええっと、この文書は、どこに向かってるんだ?

 

実は予定があるのは夕方以降だから、今日はちょっと早く家を出てきただけで、お昼を食べたあとにはまた本屋を少し見て、チェーン店の喫茶店にきた。 ノンカフェインのルイボスティーを頼んだ。まだ口をつけていないながら、さっき飲んだ紅茶のがずっと美味しいんだろうなあっていうのがわかる。一口飲んでみた。まあルイボスティーだしジャンルは全然違う、でもなあ、お茶代というより席代。紅茶、さっきのはなかなかよかったなあ。結局スコーン食べなかったからまた行きたいなあ。

 

イギリス人は選挙のときだけ自由なのであり、そのあとは奴隷だ、ってルソーが言いやがったみたいに、ひとは旅程を立てるときだけ自由で、そのあとは奴隷なのかなあ。でもダーウィンもサーバルも、そんな風には見えないね。途中でいい発見もあったみたいだ。僕もできればそのように生きたいものだ。ダーウィンやサーバルやかばんちゃんみたいに。

 

Kindleで買って読まないままになっている光文社古典新訳文庫のダーウィンの進化論とか、読まなきゃいけないな。

(そう言いつつ、Kindleを開けばついつい「バーナード嬢曰く」などを読んでしまうのであった)